日本と海外から見るIoTの面白い事例8選
現代ではモノのインターネット、通称IoTの技術が様々な場面で応用され始めています。知らないうちにあなたの身近でも使われているかもしれませんよ。 今回は各国別の面白いIoT事例を見ていきたいと思います。
IoTどんな使われ方してるのか・・・?

アメリカの事例

IoTに注ぎ込まれているお金の総額、IoTに打ち込んでいる企業の数、いずれをとってみても、アメリカにかなう国はいません。総じて、IoT大国アメリカと呼んで差し支えないでしょう。そんなアメリカは、一般消費者に近いところ、いわばソフト面でのIoTに特に力が入っていると言えます。

駐車場の空き情報

実例として面白いのは、Streetlineの試みでしょう。Streetlineは、どこの駐車場が空いているのかをリアルタイムに把握し、スマートフォンなどで確認することができるアプリです。 それぞれの駐車場のデータが、リアルタイムにインターネットにつながっているからこそ可能になるサービスで、まさに消費者に近い分野での、IoTの典型導入事例だと言えるでしょう。

日本の事例

消費者目線で身近なサービスに近いアメリカとは対照的に、日本では製造現場でのIoT導入に力を入れてきました。特に農業です。

ヤンマーのスマートアシスト

なんといっても外すことができない事例が、ヤー坊マー坊でお馴染みのヤンマーの、「スマートアシスト」という試みです。
ヤンマー(英称:YANMAR)は、日本の発動機エンジン汎用産業用を含む)ならびに農機建機小型船舶の製造・販売を行う大手企業グループの総称、およびブランドである。

Wikipedia

ヤンマーはこの事業で、日本の農業へのIoT活用を牽引してきました。スマートアシストのシステムを使うと、農作業の機械に備え付けられたセンサーから回収された情報に基づいて、効率的に農業を行うことが可能になります。

ベジタリア

また、IoTにより遠隔で田畑を管理するシステムも生まれました。その一例がベジタリア株式会社です。ベジタリアのシステムを用いると、例えばスマートフォンなどを通して、田畑の作物の状態をチェックすることが可能です。 二酸化炭素や土の温度など、細やかなデータが個別にモニターされており、それらのデータを集積・分析することで、育ちの状態全体をチェックできるという仕組みです。 これにより、例えば複数の田畑を少人数で管理し、問題がありそうな田畑を中心に回る、といった仕方での農業が可能になり、生産コストの削減につながるとも見込まれています。

foop

これまで大規模農業の事例ばかりを説明してきましたが、より小規模なものへの応用もあります。 例えば「foop」というIoTデバイスは、自宅の室内でハーブやミニトマトなどの小さな野菜を育てるために用いられるデバイスです。

foop

小さな可愛らしい水槽のような見た目の中に、部屋の照度・水位・温度・湿度・二酸化炭素濃度・カバーの開閉を管理するための合計5つのセンサーが内蔵されており、野菜の育つ環境をベストな状態に維持してくれるという優れものです。 野菜が食べ頃になると、専用のアプリへと連絡が届きます。

ドイツの事例

日本のIoTが製造現場への応用に強みがあり、アメリカのIoTがクラウドやプラットフォームなど消費者寄りのソフト面での活躍に強みがあるとすれば、ドイツはちょうどその中間です。 つまり、製造現場からより上流の消費者へと繋ぐ、そのつなぎの部分です。ドイツでは、蒸気機関の誕生(第一次産業革命)、電力へのエネルギー転換(第二次産業革命)、コンピュータによるオートメーション化(第三次産業革命)に次ぐ第四次産業革命というニュアンスを込めて、IoTのプロジェクトに「インダストリー4.0」という名前をつけています。 ドイツで当初から特に力が入っていたのは、効率化や、人員削減のためにIoTを駆使するという試みです。 例えば、IoTによって各種の工程をリアルタイムにモニタリングすることが可能になれば、無駄を省くことができます。

工場と企業との連絡

このようにドイツでのIoTは、ハード面とソフト面を繋ぐ製造業で活躍が始まりました。特にその核となるのがスマート工場です。
高度なファクトリーオートメーション(工場自動化)を実現した上で、工場内の機器や設備を相互にネットワーク(インターネット)で接続し、IoT (Internet of Things:設備と設備、設備と人をネットワークで接続する) 化することで生産革新を実現する工場。このような生産システムの構築で産業・製造業の再躍進を図るとして、ドイツでは政府が主導する「Industry 4.0」(インダストリー4.0)などの取り組みが、米国では「Industrial Internet」などの取り組みが進められている。

コトバンク

スマート工場では、センサー、それから人工知能が大きなカギとなります。スマート工場の生産工程には複数の企業が関係していますが、それらの企業への伝達は人を介して行われるのではなく、ネットを通じて情報が行き来することで、自動的に供給や生産が行われる仕組みになっています。大幅に時間や人員の削減が行われていることが理解できます。

マインドスフィア

ドイツのIoTを説明する際に外せない重要な事例が、IoTプラットフォームとして生まれた「マインドスフィア」というシステムです。 工場内の機械などに取り付けられたセンサーから回収された温度や振動などのデータを集積・分析し、工場内の稼働状況をデジタルデータとして管理するシステムです。 単に部品の在庫管理などを行うだけでなく、機械がそろそろ故障しそうだということを予測したり、ある工程に時間がかかりすぎていることを発見して改善するなど、あらゆる面から生産性の改善に貢献します。 驚くべきことに、このマインドスフィアを売り出している側は、初期の導入コストを無料にし、使用量に応じて料金を取る形式を採用しました。 それゆえ、大手企業だけでなく中小企業も利用しやすくなり、このシステムは幅広く浸透していきました。

ドイツ鉄道のケース

一方また別の例として、最近では、社会のインフラへのIoTの導入も進められています。インフラへのIoTの応用というと、典型的には、特定の単一のインフラの利便性を高めることに限定して用いられることが多かったのですが、複数のインフラ同士を繋ぐというアイディアがドイツなどで出始めています。 例えば、ドイツの鉄道であるDeutsche Bahnは、鉄道だけに限らず、レンタカーを含めた他の交通機関とIoTを用いて連携することで、交通分野全体の連関の中での立ち振る舞いを考えるという壮大な計画を立てています。 実際Deutsche Bahnは、自らは単なるトレイン・オペレーター(電車の指示者)ではなく、モビリティ・マネージャー(交通の整備者)であると自らを定義しなおしており、その心意気の高さが伺えます。

オランダ

IoTを推し進めているのは、何もドイツやアメリカなどの、よく話題になる国々だけではありません。あまりIoTの話題として取り上げられないその他の諸国でも、それぞれの取り組みが行われています。その例として最後にオランダの事例を扱いましょう。

KPNの取り組み

KPNは、デン・ハーグに本社を置くオランダの固定・携帯電気通信の大手企業です。そんなKPNは、2000年代からすでに、IoTの研究会開発を着々と進めてきました。 KPNが管理しているネットワークがオランダ全土に張り巡らされているため、それを各種モニタリングに利用したシステムを提案しているのです。 すでに試験的に運用がはじまっているものとして、アムステルダムのスキポール空港における事例があります。 この空港では、ごみ箱にセンサーが取り付けられ、効率的なゴミ回収に利用されています。また、滑走路の警告灯が正しく作動しているかどうかの確認にも、センサーとIoT技術が用いられています。 他に、まだ実現していない例では、たとえば、橋の構造にセンサーやネットワークとの接続ポイントを埋め込んで、ひび割れなどの異常を検知するといったことに始まり、内陸部での水運に用いる小型船の位置情報を把握・管理することで効率的に運用を行う、などの具体案が提案されています。
IoTもはや当たり前のように使われてるやん
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